おさる 〜我が人生に悔いなし〜

第7話

料理の鉄人は想像力の鉄人でもあるのです。
どっかで聞いた話は自分の体験談になっちゃうし・・・」
インターネットの話もそう。
恋人の話は・・・どうでしょうね。(笑)


新しい恋人

 

おさるさんはもてる

はっきり言って自分ではそう思っている

だから時々、突然に彼女が出来ることも珍しいことではないのだ。

最近出来た彼女は、同じ年の50歳、警備の仕事をしていて、バツイチの独身。

子供は成人しているので、比較的自由に暮らしているとか。

かわいらしい感じの女性らしい。

この前、彼女がこう言った。

「おさるさん、今度一緒に旅行に行きたいわ。どこかつれていって下さらない?」

きたぞー、きたぞー。さて、今回はどんな話なんだろう?

「旅行か、じゃ、京都へ行こうか。」(でましたーっ!)

「あらぁ〜、すてきだわ〜。私、京都って行ったことがないのよ。」

「それじゃ決まりだね、京都に。ぼくは京都は詳しいんだ。」

彼女は本当に京都に行ったことがないんだって。(あっそ。)

そしたらね、彼女がこう言うんだよ。

「おさるさん、・・言いにくいんだけど・・」

「何?」

「あのね、私・・・とても妊娠しやすいの。 あ、でもね、心配しないで。

 私、たくさん持って行くから大丈夫よ。」だって。

「ちょっと待って。持っていくって、なにを?」

「そりゃ、決まってるでしょう。わかんないの?夏子さん。」

「もしかして、、、、、あれ?

「そう。」

「だって、彼女っておさるさんと同じ年でしょう?

 だいじょーぶだよ。妊娠なんてしないから。 

 それに、たくさん持っていったって、そんなに出来るわけでもないし。」 

つい、つっこんでしまった。さすがにおさるさんは、

「夏子さん、そんなにできるわけないって、そりゃ、失礼だなー

 ぼくは、まだまだ若いんだよ、あっちのほうだって。 ためしてみる?」(誰が?)

「遠慮しておく。わたしはまだ、妊娠できるからね

 じゃ、旅行、楽しんできて下さいね。」

しかしこの後、おさるさんの口からこの話題が出ることは二度と無かった。

きっと、こんな話をしたこと自体、忘れているんだと思う。

しかし、すごい想像力。

頭の中ではもっとすご〜い事をしてるんだろうな。

 

聞かせて!おはなし