熊五郎
第2話

友達っていってもいろいろあるからねぇ。
私を敵にまわすのかい?
ぷはー!


こまるんだよね(ぷはー)

 

「夏子は独身だなんて言ってるけど本当は結婚してるんだ。

それで、相手というのはデンノー2号なんだ」

という噂がある。

それをご丁寧に信じ切ってる男がこいつ。

デンノー2号は時々店に遊びに来てくれるし、

私達は確かに仲が良い。

(だってさ、高校からのつきあいだもの。

 そういう友達って誰にでもいるでしょ)

でもそれだけで結婚してるって言われてもね〜。

 

デンノー2号が奥さんと二人で遊びに来てくれた時のこと。

店にいた熊五郎が言った。

「ほら、なっちゃん、旦那さんが来たよ。

 声をかけなくていいの?」

「旦那さん?誰のことを言ってるの?

 2号さんのこと?」

「しらばっくれるなよ。他に誰がいるんだよ。

 本当は結婚してるんだろ?あいつと。

 毎日揉まれてるんだろう。

 だからそんなに胸が大きくなるんだ」

(嫌なこと言うね、大きなお世話だっつーの。

 まぁこれもヤキモチの延長なのかな?)

「ちょっと、なにいってんの!

 今、奥さんと一緒に来てるじゃない。失礼よ!」

(「ごめんねー」と奥さんに謝る。

 私が言ったんじゃないのに謝るなんてあわないよね)

「???奥さん???」


ウィンダムってニワトリでしょ?(笑)

熊五郎は納得行かないなーとばかりに首を傾げ、

「おかしいなぁ〜」と言った。

おかしいのはあんただよ。

この噂の発信源は熊五郎か?

 

「こんな噂があるんだよ。ごめんねー。

 私は嬉しいけどさ(おせじ)

 奥さんにめいわくだよねぇ」

と、2号に言ったら、

「困るんだよな、うちのほうとしても。こういうのは

 ぷは〜(タバコを偉そうに吸った)

なにが「うちのほうとしても」だ。

まったく、どいつもこいつも、

むかつくやつばっかり!