カモネギ
第7話

”彼はこの店では万までしか使えないのだ。
がんばれカモネギ!まだ店は君を必要としているのだ!”
って、石坂浩二さんのナレーションが聞こえそうです。


もしかしたら宇宙人?

 

今日は恵子ちゃんの誕生日。

ささやかながらバースデーパーティーをすることになった。

当然のことながら場所は店で、しかも、

ぜんぶカモネギのおごりで。

「恵子ちゃん、誕生日おめでとう。はい、プレゼント。」

ママからはバッグ。

「わー、すてき。ありがとうママ。」

私からは化粧品。

カモネギもプレゼントを持ってきた。

そりゃ、将来結婚したいと思ってる人の誕生日だもの。

「ありがとう、カモネギさん。開けてみていい?」

袋から出てきたのは、なんと!

・・・・・ウルトラ兄弟人形セット・・・・・

ウルトラマン、ウルトラマンティガ、セブンなどが

それぞれポーズをとっていた

全部で6体。手のひらに乗るくらいの大きさ。

みんな、しばらく口がきけなかった。

「・・・・か、かっこいいじゃん!ウルトラマンかぁ。

 なつかしいなぁー。

 カモネギさん、ジョークでくれたんだよね

 トイレにでもかざるよ。」

恵子ちゃんは声を振りしぼるようにしてやっとそれだけ言った。

あぁ、彼はきっと女の子とつきあった経験が少ないに違いない。

なにをプレゼントしていいのかわからなかったんだろう。

カモネギが先に帰った後で、恵子ちゃんは、

馬鹿にされてると思った。

 いくらなんでも・・・ううっ、

 こんなのいらない。」

と、ウルトラ兄弟を残して帰っていったのだった。