カモネギ
第3話

まあ、こうやっておいしく食べられちゃってるんです。
私達、悪い人?


遊び人の恵子

 

今日は、恵子ちゃんから電話が来た。

「今から遊びに行ってもいいでしょうか?お金ないんだけどー。」

「もちろんいいに決まってるでしょう!

 お金ないならカモネギさん呼ぼうよ。」

(前にも書いたけど恵子ちゃんはもうお店をやめました)

で、恵子ちゃんが来るとすぐにカモネギさんへTEL。

なんせ、彼は恵子ちゃんといつでも連絡が取れるように

そのためだけに携帯電話を買った人だから。

「あ、もしもしー?カモネギさん?

 今、店に来てるんだけど会えないかなー?

 ごめんね。突然電話しちゃって。

 うん、うん、そう?じゃ、まってるね。」

「来るって?」

「来るってさ。カモネギさんと飲むなんて嫌だけどさ

 ごちそうしてくれるしー、お金ないからこのくらい我慢しないとね。」

しばらくしてカモネギさんが来た。

「おはよー。」

「ごめんねー呼び出したりしちゃって。」

「いいよ、いいよ。」

「カモネギさんに会いたくなっちゃってサー。」

(ホントはご馳走してもらいたくって)

たまたまとなりに座った別のお客さんが、

「おっ、カモネギちゃんもすみにおけないねー

 でも、彼女気をつけた方がいいよ。カモネギちゃんは遊び人だから。

 この前も違う店の由美子ちゃんを口説いてたんだから。」

(これはうそ。女を口説くなんて気の利いたことできる人じゃない。

 恵子ちゃんも十分分かっているけれど、)

「ええーっ!カモネギさんって由美子さんって人が好きなのねー

 ごめんね。無理に誘ったりして。もうしないから。

「おいおい、そんな冗談本気にしないでよ。」

恵子ちゃんの言い方は、わざとらしかったけど

カモネギは本気で焦っていた

彼がトイレに立ったとき、恵子ちゃんが言った。

「夏子さん、私ね、カモネギさんのことを好きになろうと

彼のいいところを探してるんだけど、どーしても見つからないの。

どころかますます嫌いになっていくんだよねー。」

「あら、いいところあるじゃない。

 お腹いっぱいご馳走してくれるところよ。」

やっぱ、それだけか・・・・はぁ〜。