旭ちゃん
第2話

しゃべったり、しゃべらなかったり忙しい。


ゴルゴ?

 

旭ちゃんははっきりと断るのが苦手だ。

ママが、

「旭ちゃん、お新香食べる?」

「・・・・」

(言葉はないがうなずいている)

「旭ちゃん、一杯飲んでもいい?」

「あ、あぁ。いいよ」

(いやいや言っているみたい)

「旭ちゃん、歌おうよ。小林 旭の歌なんてどう?」

「え、うん・・・」

(歌いたくなさそう)

「夏子ちゃん、カラオケかけて。小林 旭の歌。何でもいいから」

(いつもカラオケかけたって半分も歌わないのに)

こんな調子でついついお金を使って(使わされて?)しまう。

そして、たとえ歌の途中でもつまらなくなると

「おれ、帰るわ」

と、すっと帰ってしまうのだ。

「あーあ、帰っちゃったね。

 私、歌いたい歌があったのにな」

ママ、旭ちゃんのお金で歌うつもりだったのね。

「歌っていい?」って聞いても断らないからって・・・。

 

ひどいときは注文した(させられた?)

おつまみを全然食べないまま帰ったこともあったっけ。

独身で親と同居とくれば、

ある程度自由になるお金があると思われるのはしょうがない。

はっきり言ってこういうお客さんも

「かも」 

なんだよねぇ。